過ごし方
「何もしない旅」の作り方|観光を入れない1泊2日
疲れているときに旅行を計画すると、たいてい観光を詰め込みます。 そして帰ってきたときに、行く前より疲れているという結果になります。
一人旅の場合、移動も判断もすべて自分ひとりで行うため、予定を入れるほど消耗します。 この記事では、観光を意図的に入れない1泊2日の組み方をまとめます。
- 想定
- 東京発・週末1泊2日・ひとり
- 予定に入れるもの
- 風呂・食事・睡眠のみ
- 決めておくこと
- 3つだけ
何もしない旅は「予定を入れない旅」であって「準備しない旅」ではない
まず区別が必要です。何も決めずに出発すると、現地で判断する回数が増えて、結局疲れます。
何もしない旅で決めておくのは次の3つだけです。
宿
滞在時間が長くなるため、ここだけは妥協しません。条件は後述します。
往復の経路と時刻
帰りまで決めておきます。帰りが未定だと、2日目の午後ずっと気がかりが残ります。
雨のときに行く場所を1つ
使わなくても構いません。1つあるだけで、天気で予定が崩れなくなります。
観光地・食事処・見どころのリストは作りません。作ると「行かなければ」という圧力が生まれ、 予定を入れなかった意味がなくなります。
時間割
1泊2日を、予定ではなく余白の配置として組みます。
| 時刻 | やること | 意図 |
|---|---|---|
| 10:00 | 東京を出発 | 早すぎる出発にしない。朝に急ぐと初日が消耗する |
| 12:00 | 現地着、昼食 | 駅前で済ませる。店を探し歩かない |
| 13:00 | 荷物を宿に預ける | チェックイン前でも預かってもらえる宿が多い |
| 13:30 | 宿の周りを歩く | 目的地は決めない。30分で戻ってよい |
| 15:00 | チェックイン、1回目の入浴 | 短めに。夜と朝に残す |
| 16:00 | 部屋で休む | ここが本体。眠ってよい |
| 18:30 | 夕食 | 時間が選べるなら遅めを取る |
| 20:00 | 2回目の入浴 | 入れ替え制なら別の浴場へ |
| 21:00 | 読む・書く | 持ってきたもの1つを使う |
| 22:30 | 就寝 | 普段より早く寝る |
| 6:30 | 朝風呂 | 1泊で最も静かな時間帯 |
| 7:30 | 朝食 | |
| 9:00 | 温泉街か周辺を歩く | 前日より店が開いている |
| 10:00 | チェックアウト | |
| 12:00 | 帰宅の途につく | 昼過ぎには帰路に入る |
成立させるための宿の条件
滞在時間の大半を宿で過ごすため、宿の条件が普段より重くなります。
エリアを問わず共通
何もしない旅に向く宿の条件
- ひとり泊
- 一人泊プランが常設されている
- 食事
- 夕食が個室食・部屋食(食事の場で気を使わない)
- アクセス
- 駅から送迎あり、または徒歩10分以内
部屋の広さより、湯上がりに座れる椅子やソファがあるかが効きます。滞在時間が長いほど差が出ます。
加えて、次があると滞在が楽になります。
あると効くもの
- 男女入れ替え制の浴場(夜と朝で違う風呂に入れる)
- 部屋の窓から見えるもの(庭・川・山のいずれか)
- 館内に座れる場所(ラウンジ・読書スペース)
- チェックアウトが11時以降
行き先の条件
観光しないので、行き先に見どころは必要ありません。必要なのは次の2つです。
- 移動が短いこと:片道2時間以内。移動が長いほど、休むための時間が削られます
- 乗り換えが少ないこと:2回以内。乗り換えは判断の回数そのものです
有名観光地である必要はなく、むしろ見どころが多いエリアは「行かないともったいない」という圧力を生みます。 候補の切り方は東京から2時間で行ける温泉地にまとめています。
よくある失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 念のため観光候補をリストにする | 消化しなければという気持ちが生まれる |
| 初日の出発を早くする | 朝の支度で消耗し、初日の午後に眠くなる |
| 到着後に長風呂する | 夜の楽しみが減り、20時以降を持て余す |
| 仕事道具を持っていく | 高い確率で開く |
| 夕食を早い時間にする | 夕食後の空白が延びる |
いずれも「せっかくだから」という判断から生まれます。 何もしない旅では、「せっかくだから」を1回も使わないのが唯一のルールです。
まとめ
- 決めるのは宿・往復の経路・雨の日の行き先の3つだけ
- 観光候補のリストは作らない。作ると圧力になる
- 中心はチェックイン後に部屋で過ごす2時間
- 宿は部屋の広さより「座って過ごせるか」で選ぶ
- 移動は片道2時間以内、乗り換え2回以内
疲れているときほど、行き先を探す作業そのものが負担になります。 そもそも旅行を計画する気力が残っていない場合は 仕事に疲れたときの旅行で、決める順番そのものを変える方法を扱っています。
夕食後の時間の使い方は一人旅の夜、やることがない問題への答え、 総額の考え方はひとり温泉1泊2日の総額にまとめています。
よくある質問
何もしないと退屈しませんか?
何もしない旅は「予定を入れない」旅であって、「やることがない」旅ではありません。風呂・食事・睡眠・読書だけで1泊2日は埋まります。退屈するとしたら、それらの時間を短く詰めてしまった場合です。
せっかく行くのにもったいなくないですか?
目的によります。土地を見に行くのが目的なら観光を入れるべきです。疲れを取るのが目的なら、移動と判断の回数を増やすほど目的から遠ざかります。何のために行くのかを先に決めれば、もったいないかどうかも決まります。
日帰りでも成立しますか?
成立しますが、効果は下がります。何もしない旅の核心は「明日の予定がない状態で夜を過ごす」ことにあるため、宿泊したほうが目的に合います。